2023-12-11
【お知らせ】12月10日(火)、反対討論を実施しました
2024-12-10

12月10日(火)の本会議で反対討論を致しました。
動画が視聴できますので、是非ご視聴ください。
- 中村あきひろ議員(13:43~)
・副区長2名体制への移行に関する、墨田区副区長定数条例の一部を改正する条例に対する委員会審査報告への反対討論
【発言内容】
議席番号19番、立憲民主党の中村あきひろです。
ただいま議題となりました、議案第43号『墨田区副区長定数条例の一部を改正する条例』の委員会審査報告につきまして、反対の立場で討論を致します。
はじめに、副区長の2名体制の構築については、否定するものではない事を予めお伝えいたします。
この度の副区長2名体制への移行についての理由は、『区民ニーズが複雑化・多様化する中で、重要な行政課題に対し、スピード感をもって区政を推進していく必要があることを踏まえ、執行体制の強化を図るため、副区長の定数を2人に改める必要がある』との事で、すぐ次の2月議会に上程される前提としてこの度の墨田区副区長定数条例の議案が提出されております。
現在、区長は副区長の任に当たる方の人材確保に奔走している最中と側聞しておりますが、企画経営室長、総務部長から副区長の複数体制の制度設計・所管業務の在り方・役割分担・責任の所在・勤務評定等について説明を求めた際に、明確に決まっているものは、現在はないとの説明を受けました。
事務方の最高責任者を招聘するに当たり、明確な制度設計や役割・責任の所在、勤務評定の在り方が定まっていない状況では、人材の適性を鑑みる事が困難であり、招聘する事自体に限界があると同時に問題があると考えます。
副区長の2名体制に当たり、本区の社会的課題や行政業務の優先順位を抽出したうえで、どのような役割・責任を付与し、区政の舵取りを担わせるのか。これらが正式に決定していない状況下では人員選定は場当たり的であり、ガバナンスが効いておらず、区政の円滑な運営に支障をきたす可能性は否定できないと考えます。
また、副区長2名体制への移行に当たり、政策立案においての役割分担や、業務において重複や共有する所管業務をどのように設計・調整していくのか、勤務評定の在り方をどのように構築するのか、仮に意見が対立した場合に第3者機関や調整機能をどのように持たせるか。
さらには、副区長2名体制による組織内での派閥や分裂といった対立構造を発生させないためのガバナンス体制をどのように実現するのか。
特定の副区長に財政・人事によるヒト・カネの権限が集中しないよう、内部統制やガバナンス体制を明確にし、透明性の確保及び権力分立を構築し、組織の一体感及び指揮命令系統を円滑に実施していく事が、組織運営にとって非常に重要になってきます。
つまり、各副区長が分担している所管同士の情報共有のための会議体や、勤務評定に関わる評価のすり合わせによる調整メカニズムを働かせ、最終決定プロセスの透明性を図ることが極めて重要です。
また、事務方の最高責任者である副区長の指揮命令に強制力を持たせるためには、人事権が必要不可欠です。
行政の職務命令、指揮命令を機能させるためには、人事権に直結する勤務評定を適切に実施しなければなりません。
職員人事評価規程に規定されている最終評価者は副区長であるため、副区長2名体制により各所管を分けた場合、勤務評定を担当していない副区長からの指示命令が疎かになる可能性や、勤務評定者が一方に偏った場合は、もう一方の副区長の職務命令が形式的になってしまうことが想定されます。
副区長の職責に対する報酬・退職金は同一であるため、職務の権限や責任の所在の在り方を含めて、明確に定めなければなりません。
統治システムを機能させるために、ガバナンス、透明性、公平性、権力分立の観点から、山積されている様々な課題を解消し、確実な制度設計を進め、行政運営の円滑化を図ることが求められます。
今後、副区長の複数体制が長期にわたり継続されていく事を鑑み、最初の基本設計が基礎となり、それらに基づいて運用されて行く事から極めて重要であり、拙速な制度設計の構築は慎重であるべきと進言いたします。
明確に制度設計が定まっていない現在の状態では区政に混乱をきたす恐れがあるため、『墨田区副区長定数条例の一部を改正する条例』の委員会審査報告につきましては反対をすると同時に、今後、2月議会に向けて早急に制度設計する場合には、先ほど述べたガバナンスの在り方を熟考し、確実な制度設計を構築する事を強く望み、私、立憲民主党、中村あきひろの反対討論とさせて頂きます。ご清聴、誠にありがとうございました。