墨田区で急増する民泊の実態とは?民泊施設数「自治体ランキング」

2026-01-13

暮らしの安全保障

2026年1月13日にNHKの『クローズアップ現代』で民泊トラブルが取り上げられます。

大阪の民泊トラブルがクローズアップされますが、データ分析をすると驚きの結果となります。
東京23区、墨田区の人口当たりの「住宅宿泊事業(いわゆる民泊)」の届出件数は、特区民泊含めた大阪市の件数と比較しても、突出して高く、日本で2番目に多い自治体です。

 

民泊(新法+特区)施設数 人口10万人あたりランキング(政令指定都市、東京都23区)

順位

自治体 民泊施設数(約) 人口(概数) 10万人あたり
1 新宿区 3,270 352,000 約930
2 墨田区 1,730 288,000 約600
3 豊島区 1,680 301,000 約560
4 台東区 1,130 217,000 約520
5 渋谷区 1,250 244,000 約510
6 大阪市(新法+特区) 8,680 2,816,000 約308
7 港区 730 269,000 約270
8 札幌市 2,088 1,956,000 約107
9 福岡市 1,294 1,600,000 約81
10 京都市 1,035 1,460,000 約71
11 名古屋市 520 2,300,000 約23
12 横浜市 350 3,750,000 約9
13 川崎市 120 1,540,000 約8
14 さいたま市 90 1,320,000 約7

(参考データ)
国土交通省 住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録の状況一覧令和7年7月15日時点
総務省 令和7年住民基本台帳人口・世帯数、令和6年人口動態(市区町村別)(令和7年1月1日現在)

 

大阪をはじめ各地で民泊の問題が噴出しておりますが、墨田区でも「念願の一軒家を購入し住み始めたところ、目の前に2軒の民泊施設ができ、早朝や深夜含めて騒音に深刻に悩まされる生活を余儀なくされている」という悲痛な声を私自身も直接聞いております。

商売の原理原則として、「平穏に暮らす人様に迷惑をかけてまで金儲けをすることは許されない」と思います。
地域住民に受益が無いにもかかわらず、社会的コスト(騒音・ごみ問題・治安等)のみを押し付ける制度は構造的に限界を超えていると言わざるを得ません。

近江商人の経営哲学で、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三者すべてに利益がある商いが良い商売であるという考え方がありますが、「世間よし」が全く抜け落ちております。

 

墨田区でも、今年4月から規制を強化する為に、いわゆる「民泊条例」令和7年墨田区条例第53号墨田区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例が施行され、区内全域で金曜正午〜日曜正午のみの営業に限定されます。

しかしながら、既存施設は規制の対象外で、管理者が施設内などに常駐する場合も制限しない内容となっており、これまでの既存の問題は抱えたままで解決はされません。

民泊施設・簡易宿泊所の施設数とトラブル・苦情件数の相関関係は明確で、確実に因果関係がありますので、問題解決のためには遡及適用により既存の民泊施設を含めた総量規制を段階的に進めるべきだと考えます。

 

先般、墨田区議会において、民泊条例に対する規制緩和についての陳情がありましたが、各会派の姿勢については以下となります。主な争点となったのは以下の2点です。

  • 小規模施設に対しては、代替措置(近隣管理者・遠隔監視等)を認める柔軟な制度設計を行うこと。
  •  地域貢献型宿泊施設に対しては、優遇措置や認定制度の創設を検討すること。

旅館業法施設と住宅宿泊事業施設の制度的区分の明確化を求めることに関する陳情

 

各会派の態度表明

 

民泊に対する規制緩和や優遇措置に対して、賛成の会派は「民泊に寛容」的であり、反対の会派は「規制強化」的な態度表明です。
各会派の民泊に対する評決態度も今後の参考にして頂ければ幸いです。

 

当初、民泊新法は自民党・安倍政権が「岩盤規制」を打ち破った規制緩和として位置づけられてきました。
しかし、民泊に厳しい規制が存在してきたのは、人々の平穏な暮らしに直結し、無秩序な宿泊利用が生活環境に深刻な影響を及ぼすからです。

住民生活を守るために築かれてきた「岩盤規制」を安易に崩した結果、暮らしへの影響が顕在化していますので、今こそ規制緩和ではなく、生活を守るための「岩盤」となる規制を再構築することが急務です。

 

安易なインバウンドよりも、日々の住民の暮らしを守る事こそが政治の要諦だと考えます。